ドクターはわたしをつくりました。6才なのにドクターのアソコがぴったりとおさまるのは、作られたわたしのココはあのひとだけのものという印なんです。あの人はたくさんの人形をつくったけれど、わたしがいちばんだといって、どこへでも連れて行ってくれたから、数なんて関係ないわ。あのひととの記憶だけでわたしは幸せ、どこまでもつづく永遠のひとりこそ、あのひとと過ごした日々の充足に寄り添える。ひとりでいるときがいちばんあの人を感じられる。わたしが7才になる誕生日には腕をきっと無くしてくださると、ドクターのいうがままに身も心も変えていただけると、そういう約束だった。ドクターはもうきっと来ないけれど、わたしにのこしてくださったあのころの約束がわたしを生かすのよ。あの人がくるまでわたしは永遠に6才のあなたのおもちゃの人形のまま。わたしはあのときから永遠という時間を手に入れた。